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現行1,000台のサーバ群を計画的に仮想化IT基盤に集約
エンタープライズ・クラウド実現への取り組みがスタート


三井物産株式会社様 導入事例


日本を代表する総合商社、三井物産株式会社(以下、三井物産)。同社は、基幹システムから個別システムまで企業全体のサーバ群を計画的に仮想化していく、大規模なプロジェクトをスタートさせました。その目的はビジネスの変化に迅速かつ柔軟に応えるIT基盤の実現です。Hyper-V 2.0を活用した仮想化IT基盤の中核には、富士通の PCサーバ「PRIMERGY RX300 S5」を採用。製品の高性能、高信頼性はもとより、ベータ版からの検証となるため、Hyper-V 2.0のノウハウや技術力が重視されました。三井物産はもとより三井物産グループ全体のエンタープライズ・クラウドの実現に向け、プロジェクトは大きな一歩を踏み出しました。

[ 2009年10月27日掲載 ]


導入事例概要
業種: 総合商社
ハードウェア: PCサーバ PRIMERGY RX300 S5
ソフトウェア: Windows Server 2008 R2 (Hyper-V 2.0)
課題と展望
1 ビジネスの変化に柔軟に応えられるIT基盤を実現したい。 社内のサーバ群を計画的に仮想化することで、インフラとアプリケーションのライフサイクルを別々にコントロールし、ビジネスニーズに迅速かつ柔軟に対応。
2 運用にかかる負荷を削減し、付加価値の高い作業への集中度を高めたい。 システムおよび運用の標準化については、その適正を見極めながら段階的に実施。標準化によるコスト削減と既存運用方法の継続の両方を使い分けることで企業内のシステム全体を最適化。
3 海外も含めて三井物産グループ全体でスケールメリットが出せるようなIT基盤を構築したい。 将来のエンタープライズ・クラウドを視野に、まずは三井物産単体で各システムのリプレース時期などに合わせ、仮想化を基本にした標準化を推進。将来的には、こうした考え方を三井物産グループ全体に拡大していく。

導入の背景

仮想化IT基盤の構築へ、ベータ版から検証を開始

黒田 晴彦
三井物産株式会社 IT推進部 副部長

明治の開国当時、世界貿易を独占していた先進国の商社に対抗するべく創立されたのが旧三井物産です。その後、高度経済成長、グローバル化の進展など、時代が大きく変化する中、三井物産は常に経済の新たな牽引役となる産業を育成し、日本の産業構造の転換に尽力してきました。

同社は現在、資源・エネルギー、物流ネットワーク、コンシューマー、インフラの4つの事業分野を中心に、多彩なビジネスをワールドワイドに展開しています。グローバル総合力企業を目指す同社は、世界の各地域の発展に寄与するビジネスを行っています。

新たな道を切り開く「挑戦と創造」のスピリットは、同社のDNAとも呼べるものです。「挑戦しなくなると、企業は衰退をはじめます。IT推進部も、いち早く先進技術を取り入れ、企業の成長により貢献するべく、R&Dにも積極的に取り組んでいます」と、三井物産IT推進部副部長の黒田氏は語ります。

今回の仮想化IT基盤プロジェクトも大いなる挑戦の1つです。現行1,000台からなるサーバ群をWindows Server 2008 R2 (Hyper-V 2.0)を利用した仮想化環境へ再構築していく、その第一歩としてHyper-V 2.0のベータ版からの技術検証が進められています。ベータ版の検証について、黒田氏はこう語ります。「早く新しい技術の恩恵を受けることは、コスト、効率性、競争力強化などさまざまな面でより大きなメリットを創出できます。製品が出荷された時点で、どこまで使えるのかがわかっていて、それをすぐに適用できることは会社としても大きなメリットだと思います」。

導入の経緯

ビジネスの変化に迅速かつ柔軟に対応できるIT基盤の実現へ

「総合商社にとってビジネスを創造することは成長の原動力です。今後、新たなビジネスが立ち上がる際に、システム対応を求められるケースが増加すると考えています。しかし、ハードウェアをアプリケーションごとに手配することは非常に非効率です。ビジネスの変化のスピードは早く、処理能力が適合しなくなったサーバは次に転用するにしてもジャストフィットしませんし、サーバの台数も増えるばかりです。また、ハードウェアやOSなどインフラの老朽化に伴い、膨大な移行作業が生じます。インフラとアプリケーションのライフサイクルを分離して別々にコントロールできる仕組みの実現も急務です」と、黒田氏はプロジェクトの背景を語ります。

こうした課題への解決策として同社は仮想化に着目しました。「仮想化によるサーバ集約で、サーバ台数は大きく削減できる見込みですが、台数の削減そのものが目的ではありません。今回の目的は、商社の活動をよりITで支えるために、基幹システムからさまざまな個別システムまで、企業全体のサーバ群を計画的に仮想化していくことにより、ビジネスの変化に迅速に対応できる柔軟性の高いIT基盤を適正なコストで実現することです」(黒田氏)。

Hyper-V 2.0を選んだ理由について黒田氏はこう説明します。「まず機能の拡張性に期待できるという点です。将来、システム規模が今以上に大きくなったとしても仮想技術を用いて全体を統制できる仕組みを確立していくためには、マイクロソフトが取り組む技術はとても魅力的です。また、Windows Server 2008の完成度も高くなっており、Hyper-V 2.0を活用した仮想化環境での安定稼働も重要なポイントです。Hyper-V 2.0 は、今後のエンハンスまでを考えたら、ビジネスの柔軟性に応えてくれるのではないかと思いました。また、運用管理ツールの充実にも注目しています」。

導入ポイントと検証内容

サーバの選定ではHyper-V 2.0のノウハウと技術力が決め手に

清水 隆太郎
三井物産株式会 IT推進部 情報通信基盤室 室長

プロジェクトをスタートするにあたり、同社はグループ企業のシステム・インテグレーター、三井情報(MKI)をパートナーに選択しました。「MKIはHyper-Vの研究を3年前から進めており、仮想化技術に関するノウハウを蓄積し、また、当社の基幹システムや業務システムに関する構築、運用のノウハウ、さらに集約したサーバの一元管理に関する技術力など、今回のプロジェクトを実現していく上で必要な要素を兼ね備えていました」(黒田氏)。

仮想化IT基盤の中核を担うサーバの選択では、ベータ版から検証を開始するため、Hyper-V 2.0に関するノウハウや技術力の高さが問われました。「当社がベータ版から検討を開始しようとした時、他の一般のベンダーも取り組んでいましたが、当社の要望に対してフルにサポートしてくれたのが富士通でした。富士通はすでにHyper-V 2.0のドライバなどの機器サポートに着手していました。検証だけでなく、今後の展開も視野に入れ、Hyper-Vに先進的に取り組む富士通なら当社の要望にきめ細かく応えてくれると確信しました」。同社が採用したのは富士通のPCサーバ「PRIMERGY RX300 S5」です。信頼性、高性能、優れたコストパフォーマンスも採用のポイントになりました。

現在、技術検証はアプリケーションの動作や運用面の検証フェーズが終了したところです。

飯島 栄介
MKIネットワーク・ソリューションズ株式会社 iDCマネジメント本部 カスタマーサポート2部 部長

「ライブマイグレーションやMSFC(Failover Cluster)を使った可用性の高いシステム構成などの検証も行いました。また当面の目標は基幹システムへの仮想化の適用なのでSAPの仮想環境上での動作もチェックしました」と、三井物産IT推進部室長の清水氏は話します。

検証作業を支援したのはMKIグループのMKIネットワーク・ソリューションズです。同社のiDCマネジメント本部カスタマーサポート2部部長の飯島栄介氏は「ベータ版を使うという状況のもと、タイトな検証スケジュールの中、ここまで進めることができたのは富士通のサポートがあったからです」と、語ります。

清水氏も富士通のサポートについて付け加えます。「客先SEだけでなく、実際にサーバやHyper-Vを担当している部署にもサポートしてもらいました。トラブルが起こったときの原因追求や解決に向けてのいろいろなアドバイス、迅速な対応にはとても感謝しています」。

今後の展望

仮想化を起点とした基幹システムの標準化を目指す

松島 健太郎
三井情報株式会社 技術・開発本部 ERPソリューション部 副部長

今後の仮想化IT基盤の展開に向けて、MKIの技術・開発本部ERPソリューション部副部長の松島健太郎氏は「仮想化環境におけるパフォーマンスの指標づくりが重要なポイントだと考えています」と、語ります。また、同社は仮想化IT基盤の標準的な運用方式を決定・導入することで運用コストを最適化していくことを検討しています。「最新技術をいち早く採用し、運用していく中で全体の最適化を図ることが重要です。今動いているものを、ムリヤリに標準化するのは無駄が多くなります。システムのリプレースやバージョンアップのタイミングに合わせてモディファイするなど、効率的に標準化を進めていきたい」(黒田氏)。

最後に、黒田氏は今後のプロジェクトの展望についてこう結びます。「小規模システムから仮想化環境の中で安定稼働させ、順次対象を拡大していきたいと考えています。来年の基幹システム再構築の際にも、仮想化を適用していく予定です。商社の活動をよりITで支えるためには、もっと早くアプリケーションが作られて、より効率的に動かすことが必要です。仮想化によるサーバ集約はゴールではなく出発点でしかありません。できるだけ早いタイミングで、こうした考え方をグループ全体に広げていき、海外も含めて三井物産グループ全体のエンタープライズ・クラウドを実現することです。当社とMKI、富士通の3社が互いの信頼関係を一層高めながら、チャレンジ精神のもと、ゴールに向かって一緒に歩んでいきたいと考えています」。

世界を舞台に進化を続ける三井物産。同社の「挑戦と創造」を、富士通はこれからも仮想化技術やプラットフォームの提供など総合力を駆使し支援してまいります。

左から、黒田 晴彦氏、清水 隆太郎氏。

左から、飯島 栄介氏、松島 健太郎氏。

【三井物産株式会社様 会社概要】

本店所在地 〒100-0004 東京都千代田区大手町1丁目2番1号
代表取締役社長 飯島 彰己
設立 1947年(昭和22年)7月25日
資本金 339,626,747,953円(2009年3月31日現在)
従業員数 5,886名(連結従業員数39,864名)(2009年3月31日現在)
事業内容 鉄鋼製品、金属資源、プロジェクト、自動車、船舶・航空、化学品、エネルギー、食料・リテール、コンシューマーサービス、情報産業、金融市場、物流の各分野において、全世界に広がる営業拠点とネットワーク、情報力などを活かし、多種多様な商品販売とそれを支えるロジスティクス、ファイナンス、さらには国際的なプロジェクト案件の構築など、各種事業を多角的に展開
ホームページ 三井物産株式会社ホームページ

【導入事例(PDF版)】

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