導入事例 国家公務員共済組合連合会 東京共済病院様
電子カルテを軸に医療の安全性を強化
高度な情報分析と地域連携の実現を目指す

東京・目黒の中核病院として、地域に密着した医療サービスを提供する東京共済病院。同院では、医事会計システムとオーダリングシステムの更新を機に、診療業務の標準化やミスの軽減を目的として、富士通の電子カルテシステム「HOPE/EGMAIN-NX」を導入した。これにより医療現場の安全性強化を実現。今後は、集約したデータに基づく多角的な分析による、診療レベルの向上にも期待を寄せている。
安心・安全な医療の実現に向け様々な取り組みを実施

東京共済病院 院長
隅谷 護人 氏
患者との強固な信頼関係を築きつつ、いかにして質の高い医療サービスを実現していくか。これは現在の医療現場にとって極めて重要な課題だといえる。そのためには医師と患者が診療内容を共有すると共に業務の標準化などによりミスを軽減し、安心・安全な診療を提供する必要がある。
こうした課題に積極的に取り組んでいるのが、今回紹介する東京共済病院だ。同院は1930年の設立以来、東京・目黒地域における中核病院の役割を果たしてきた。
「安心・安全な医療を実現するためには、患者の立場に立って考えることが重要になります。そのため、当院では、患者や、患者の家族からの意見を積極的に病院運営に反映させています。また職員一人ひとりの意識を高めるため、毎年スローガンを募集するといった取り組みも行っています」と話すのは同院の院長を務める隅谷 護人氏である。
こうした様々な展開を行う中、安心・安全面の強化を業務レベルで図っていくには、ITも大きな役割を担うという。
重要性を認識し早い段階からIT化を推進

東京共済病院
医療情報科部長
田村 博之 氏
同院では、早い段階からIT化への取り組みを進め、1999年には、病院の経営改革を目的に医事会計システムと電子カルテシステムの土台となるオーダリングシステムを導入している。
その後2004年には、IT推進会議、各部門、業務別のワーキンググループを設置し、次期病院情報システムの構築に乗り出した。ポイントとなったのは、フルオーダリングへの移行。オーダーに対する各種検査結果や診療・看護記録を徐々に電子化していくというものだ。
この取り組みをリードした同院の田村 博之氏は「フルオーダリングシステムを構築し、情報システムによる業務標準化の適用範囲を拡大することで、ミスの原因となる、伝達の齟齬や業務の属人性を排除しようと考えたのです」と語る。
こうして2005年7月には、富士通の電子カルテシステムを含めたすべてのシステムがフル稼働を開始しており、現在では、院内業務の電子化を徐々に進行させている段階だ。
誰でも直感的に利用できる操作性の高さが採用の決め手に
電子カルテシステムの選定に当たり、要件として挙げたのが、病院収益の規模に合ったシステムであること、紙カルテからの移行をスムーズに行うため、病院スタッフの誰もが容易に使いこなせる操作性を有していること、などだ。
こうした要件を満たす電子カルテとして、同院が最終的に採用したのが富士通の電子カルテシステム「HOPE/EGMAIN-NX」だ。
「カルテ入力の際のメニュー階層が浅く、全体像が把握しやすい点、少ないマウス操作で簡単に入力できるユーザーインターフェースが決め手となりました。入力したい項目上で右クリックすると目的のメニューが一覧表示されるなど、直感的な操作感も高く評価しています」(田村氏)
この特長のおかげで、ルーチンの操作訓練で同院のほとんどの医師や職員は利用法を理解でき、問い合わせも少なかったという。
また、業務の標準化を徹底するため、独自機能の追加は行わず、できるだけ標準的なシステムを構築するということも重要な要件だった。当時、HOPE/EGMAIN-NXはまだ製品化準備段階であったが、富士通側と協議を重ね、できるだけ標準的なオーダープロセスを構築することに注力。こうした経緯を経て実現した各種機能は、後に正式にリリースされたHOPE/EGMAINNXに多く採用されているという。
高度なデータ分析による医療レベルの向上にも期待
「電子カルテシステムの導入は、当初の予定通り、医師の口頭指示の削減、手書き文字の見間違いの防止、業務プロセスの標準化を実現し、診療サービスの均質化と患者サービスの向上につながっています」と隅谷氏は述べる。医師へ指示を再確認する回数が減り、業務の効率化が実現された。田村氏も「わかりやすい文字で記入されている上に、自身のレントゲン写真なども画面上で一覧できるので、患者の安心感にもつながっているようです」と手応えを感じている。
異常数値が打ち込まれるとアラートを発する機能やリストバンドによる患者認証、バーコードによる投薬認証との併用も、安心・安全の面で大きな効果をあげているという。
また田村氏は、記録を電子保存することによって可能になる情報の利活用もポイントだと付け加える。「データウェアハウスを構築したことも、今後の医療レベルの向上に寄与するのではと期待しています。今は簡単な解析しかできませんが、今後、多面的な診療データの統計解析ができるようになれば、処方に対してどういう効果が表れたかなど、様々な情報の活用が可能になります」
地域の中核病院として地域医療連携に貢献
これまでも地域の中核病院である同院は、医療サービスを提供するだけでなく、地域活動にも積極的に参加。地元の医師会と協調しながら、在宅医療などの面でも連携を図ってきた。そして今回、カルテ情報を電子化したことは、より高度な地域医療連携を行うための基盤の整備につながるのだ。
「プライバシーの保護のためのネットワークセキュリティの問題など、解決しなければならない問題はまだまだあります。しかし、情報の電子化により、患者データが共有しやすくなれば、地域における病診連携も大きく前進する可能性があります」と隅谷氏は、地域の中核病院として、医療の電子化を推進した意義を力強く語った。
HOPE/EGMAIN-NX 利用イメージ![]() 2つの画面を活用し、カルテ情報などの一覧性を確保。医師の診療の効率だけでなく、患者の安心感にもつながっているという。 |
HOPE/EGMAIN-NX インターフェース例![]() [図を拡大する] タグや右クリック操作を駆使して、使いやすいインターフェースを実現。2~3クリックで、患者の診療情報の全体把握が可能だ。 |
Profile
国家公務員共済組合連合会 東京共済病院

- 所在地 : 東京都目黒区中目黒2-3-8
- 設 立 : 1958年3月(旧東京海軍共済組合病院)
- 診療科目: 一般内科/心療内科/呼吸器科/消化器 内科・内視鏡科/肝臓内科/循環器科/腎臓内科・血液浄化センター/内分泌代謝科/リウマチ科/腫瘍内科/神経内科/脳神経外科/消化器・一般外科/乳腺・内分泌科/呼吸器外科/形成外科/整形外科/皮膚科/泌尿器科/婦人科/眼科/耳鼻咽喉科/放射線科/リハビリテーション科/麻酔科
- 病床数 : 一般病床341床/療養病床78床
- 概 要 : 1912年に「海軍共済組合東京診療所」 として開設、戦後は各地の旧海軍共済組合病院8病院とともに国家公務員共済組合連合会に所属する一般病院に改組。目黒の地域中核病院として地域との連携強化、医療レベルの向上、医療安全の推進、アメニティの充実を図りながら、よりよい医療を目指している。
- URL:http://www.tkh.meguro.tokyo.jp/2007年2月現在
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