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導入事例 那覇市立病院様

既存システムとの連携を図り
患者サービスにつながる診療環境を構築


看護業務などで負担が軽減され、患者サービスの向上にも成果
沖縄県の県庁所在地である那覇市は、30万人あまりの市民を抱え、ゆるやかな人口増加を続ける地方都市です。この那覇市民の健康増進を目的として、1980年に那覇市立病院は開院しました。以来27年間、県内唯一の市町村立病院として、高度化する市民医療の需要に応えてきました。地域住民の増加に伴い、民間の医療機関も増えていますが、その中でも黒字経営を維持し続けている同院では、富士通の電子カルテシステムHOPE/EGMAIN-FXを導入。看護業務の効率化などが図れ、患者サービスの面からも成果が上がっています。



 導入の背景  | 導入の経緯 | 導入の効果 | 将来の展望


導入の背景

電子カルテシステムに先行してオーダリングシステムを導入

  那覇市立病院のある医療圏内には、競合する民間の総合病院も多く、競争力を高めるための施策が常に求められています。同院では5か年計画を立て、毎年内容の見直しをするなど、経営努力を行ってきました。その一環として、看護配置基準7対1加算への対応も検討されましたが、公立の医療機関である同院には、定数条例による雇用制限があるため、看護師を増員することができません。このジレンマを解決するため、同院は、自治体病院としては全国初の非公務員型地方独立行政法人への移行を決定しました。
  このような背景の中、同院では院内のIT 化も推し進めています。1998年には、オーダリングシステムを導入しました。その後、電子カルテシステムについての検討も行い、與儀實津夫院長が「経費がかかっても、必要なものはとり入れていかなくてはいけません」と述べているように、病院運営の観点から必要であるとの判断から導入が決定。2006年12月からHOPE/EGMAIN-FXを稼働させています。

與儀實津夫院長
島袋 洋副院長
中森 えり副院長

導入の経緯

情報収集を行い採点方式でシステムを選定


  那覇市立病院では、オーダリングシステム稼働後、電子カルテ導入に向けての検討を行い、他院への見学など、継続的に情報収集を行っていました。2002年には電子カルテシステム研究会を発足させ、2004年には具体的な導入準備を行う情報システム運営委員会を設置。システム運用の基本方針を固めました。
  導入システムが決定したのは、2006年3月でした。選定に当たっては、5社のシステムを候補とし、機能や安定性、保守、コストなどの項目を設けてそれぞれ点数化し、情報システム運営委員会にて総合的に検討しました。また、将来も安心して利用できるシステムにするという観点から、標準的なシステムをノンカスタマイズで使うという条件も各社に提示しました。「これらの点数や各社の提案を基に順位をつけ、価格交渉を行う上で折り合いがつかなければ、次の順位のメーカーとの交渉を開始するという方式をとりました」と企画課医療情報係の島袋本三係長と大城勝美主査は述べています。

企画課医療情報係
島袋 本三係長
企画課医療情報係
大城 勝美主査

導入の効果

部門システムとの連携により診療環境を整備

  那覇市立病院では、電子カルテシステム導入に当たって、すでに各部署で稼働中だった部門システムと既存のデータを生かし、かつ連携できるように仕様を定めました。例えば同院では、2004年にPACSを導入しました。このPACSをHOPE/EGMAIN-FXと連携させて、精神科など一部の診療科を除く各診察室に高精細モニタを配置し、CTやMRIなどの放射線部門の診断画像を院内に配信しています。「検査後、患者さんが診察室に戻ってくる前に画像が見られますから、フィルム運用のように診断までに時間がかからず、患者さんに対するサービスの向上につながっています」と、島袋洋副院長は説明しています。また、高精細モニタに画像を表示しながら説明することで理解度も深まり、患者さんからも好評です。経営面においてもほとんどのモダリティがフィルムレス運用になったことで、フィルム代が発生せず、大幅なコスト削減にもつながりました。
  ほかに、検体検査や内視鏡画像などもHOPE/EGMAIN-FXとリンクしています。また、ICUでは、各ベッドにオーダや検査データ、画像などを参照するための電子カルテシステムと、バイタルなどの経過を記録・表示する既存システム両方のモニタが用意されています。電子カルテシステムの患者情報は、バーコードリーダを介して部門システムに取り込まれるようになっています。
  HOPE/EGMAIN-FXと同時に導入された分娩監視装置との間でも、基本情報のデータ連携ができています。これにより、電子カルテシステム側にはない台帳機能を装置側で受け持つことが可能となります。

ICU(左)と透析室(右)。電子カルテシステムと部門システムがデータを連携し、相互の機能を補完しながら運用することで、スタッフの利便性が向上しています。

この情報はweb参照できることから、ノートパソコンなどで、看護師が院内のどこにいても電子カルテシステム端末から妊婦さんの異常を知ることができます。



看護業務の効率化で患者ケアにも効果

  看護業務における電子カルテシステム導入のメリットとして、各病棟でPDA導入による注射、輸血、バイタルなどの発生源入力が実現したことが挙げられます。安全面での効果はもとより、誰が実施したかという情報も記録されることから、「自分の行為に対する責任を、各人が再認識するようになりました」と藤本みゆき副看護部長は述べています。

藤本みゆき副看護部長
西村 智江看護師長

さらに、藤本副看護部長は、伝票や書類が電子化されたことで見読性が良くなり、指示の書式も定型になったために、医師の意図するところを間違いなく理解できるようになったことと、看護記録についても同様の理由で読みやすくなったこともメリットに挙げています。集中治療室の西村智江看護師長は、「紙カルテの場合は、カルテが手元に来るまで内容がわかりませんでしたが、現在は患者さんがICUに入室する前にデータを参照できるようになり、速やかな対応ができるようになりました」と効果を説明しています。


病棟でのPDA運用。ベッドサイドでの発生源入力ができることで、医療安全の面でも効果が上がっています。

  看護部長を兼任する中森えり副院長は、看護業務全体の話として、「ノンカスタマイズのシステムを導入するに当たり、電子カルテシステムに自分たちの業務を合わせる方向に意識を切り替えました。これが看護業務を見直す良い機会になったと思います」と述べています。また、これまで採用していなかった看護診断も、電子カルテシステム導入とともにとり入れており、スタッフのレベルアップの機会になっていると評価しています。このほかにも手書きの作業が減ったことで、その分患者さんを看護する時間が増えたことも、看護師にとっての大きなメリットとして挙げています。



将来の展望

医師のデータ入力の負担をいかに軽減するかが課題

  医師の業務への影響については、情報共有が進んだことがメリットとして挙げられます。耳鼻咽喉科の神谷義雅部長は、「例えばめまいを訴える患者さんなら、別の場所にいる脳神経外科との間で診断画像や所見、治療方針などの情報を診察室にいながらにして共有することができます」と述べています。
  しかし一方で、カルテの電子化は、医師にとっては入力の手間が増えるという側面も持っています。しかも、入力されていなければ、その後の検査や注射、処方、会計などの業務がすべて滞るため、省略することはできません。電子カルテシステムの導入前後に、島袋副院長はほかの医師から、入力負担の問題について、何度も相談を受けました。

耳鼻咽喉科の外来診察室。神谷義雅部長は、フィルムを搬送する手間と時間をかけることなく、電子カルテシステムと連携して放射線部門の検査画像を表示できる点を評価しています。

  しかし、「DPCへの移行やレセプトのオンライン請求などの医事の問題に加え、医療機関間や行政とのやりとりなど、将来を展望すれば、やはり電子カルテシステム導入以外に選択肢はない」と、説得を続けました。スタッフが操作に慣れ、入力時間が短縮されてくれば、メリットの方が強く意識されるようになるのではないかと、島袋副院長は期待しています。また、今後期待されているクリニカルパスを用いた診療ができるようになれば、医師にとっても欠かすことのできないシステムになるでしょう。


運用、マスタなどを見直し業務の効率化をさらに推進

  那覇市立病院では、かつて患者さんの待ち時間に対する苦情の解消を目的にオーダリングシステムを導入しました。この効果は非常に高く、特に会計の待ち時間は大幅に短縮されました。電子カルテシステム導入後は、月ごとの診療報酬のチェック業務などは時間外作業がまったく見られないほど効率化されました。
  與儀院長は、「導入コストを抑えたいあまり、必要なものまで削ってしまうと、得られるはずの効果が逆に薄れてしまう結果にもなりかねません」と述べています。 HOPE/EGMAIN-FX を中心に、部門システムを拡充することで、相乗的な効果が得られている同院では、クリニカルパスの導入、完全フィルムレス化、DPCへの移行に取り組みながら、従来の運用、マスタ、システム連携を見直し、より病院経営に寄与するような院内のIT化に取り組んでいくことにしています。



那覇市立病院のHOPE/EGMAIN-FXシステム構成図
HOPE/EGMAIN-FXシステム構成図
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施設概要

那覇市立病院

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