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導入事例 特定医療法人一祐会 藤本病院様

各部門スタッフが一丸となり
短期間でスムーズなシステム導入を実現


マスタ整備と操作習得を重視し 外来待ち時間短縮などにも成果
人口24万人を超える住宅都市、大阪府寝屋川市に位置する藤本病院は、1955年の開設以来、地域住民の納得が得られるような医療の提供に努めてきました。“患者様に信頼され、愛される病院を目指す”という理念を掲げる同院は、2006年11月からオーダリングシステム導入について本格的な検討を開始。翌年1月にHOPE/EGMAIN-NXの採用が決定しました。以降、各部門のスタッフが一丸となり、マスタ整備や操作訓練を実施。2007年9月稼働という短期間での導入を成功させました。



 導入の背景  | 導入の経緯 | 導入の効果 | 将来の展望


導入の背景

患者サービス向上を目的にオーダリングシステムを導入

  155床の病床を持つ藤本病院の外来には、1日平均約400人もの患者さんが訪れます。病床規模に対して、非常に多数の患者さんを診察するため、待ち時間が長くなり、患者さん一人ひとりに対するサービスがおろそかになるなどの問題が生じていました。石山憲雄院長は、このようなサービス低下への対処を目的に、院内のIT化を考えました。そして石山院長の指示に基づき、数年前から山口久子医事課長が事前調査を開始しました。
  具体的にオーダリングシステム導入に向けて動き出したのは2006年11月。その後、基本方針として、フルオーダリングシステムとすることと、パッケージ製品を導入することが決められました。また、電子カルテシステムについては、同時期の導入を見送り、今後の検討課題にすることにしました。
  これらの方針に基づき、山口課長は、11月に5社から見積りをとり、12月にはオーダリングシステムが稼働している2つの病院に石山院長やほかのスタッフとともに見学に出向きました。2007年1月に、見積りをとった5社の中から2社を選定し、端末を持ち込んでデモンストレーションが行われました。そして同月下旬、スタッフに二者択一のアンケートを実施し、医師からの圧倒的な支持もあり、最終的には石山院長が、HOPE/EGMAIN-NXの採用を決定しました。具体的にIT化の話が動き始めてから、わずか3か月というスピードでした。

 


導入の経緯

各部門がWGで集結しマスタなどを入念に検討

  契約後の、マスタの整備や運用の検討という多大な労力を要する作業に当たり、まず院内に各部門の所属長を中心としたオーダリング委員会が組織されました。しかし、人数が多く、細かい打ち合わせを重ねることが難しかったため、結果的に同委員会はあまり機能せず、準備作業が進みませんでした。そこで、2007年7月に、各部門の代表を集め、7、8人程度のワーキンググループを設置し、そのWGで運用方法やマスタの整備を進行させて、結果をオーダリング委員会にフィードバックしていく手法に切り替えられました。WGが動き出した当初は、週に2、3回、朝8時から集まって会合を持ちました。
 同院では院内でいっせいにシステムを稼働させるのではなく、段階的に導入していく計画を立てていました。9月に稼働を予定していたのは、検査、処方、給食の3部門です。検査課の田口勝雄主任は、導入前に苦労した点として、マスタ作成を挙げています。コードが検査センターと共通であるため、そのまま流用することも考えられましたが、マスタの数が8000を超えていたため、まずは同院で行われることのない検査を削り、さらに、過去3年間にオーダされた検査をすべてピックアップするなどの作業を行い、最終的に3000まで絞り込みました。
 検査課など、先発のオーダリングシステムの導入準備が順調であったために、その後のスケジュールは、1~2か月前倒しされました。例えば放射線課では、2か月という短い準備期間の中で900ほどもあるマスタの作成を精力的に行いました。入念に検討したため、稼働後の修正作業はまったくないと、大野雅史診療放射線技師は、「他部門と違い、放射線課では、システム導入前の作業手順ができるだけ変わらないようにマスタをつくっていきました」と説明しています。
 その甲斐もあって、現在では使いやすいシステムになっていると院内でも高い評価を得ています。

高橋秀樹内科部長 荒木浩外科部長
高橋 秀樹
荒木 浩
田口 勝雄
大野 雅史
内科部長
外科部長
検査課主任
診療放射線技師

導入前の訓練や自習によりスムーズに操作を習得

 マスタ作成、運用の決定に続き、スタッフへの操作訓練も、導入前に必要な準備作業です。稼働直前の7月下旬から約1か月間、会議室に端末を置き、各スタッフがインストラクターから直接指導を受けました。「1回1回の中身が濃く、パソコン操作に慣れていない医師にもしっかり教えていただきました」と高橋秀樹内科部長は述べています。
  インストラクターのスキルもさることながら、教わるスタッフ側の熱意も非常に高かったようです。特に看護師は全員が熱心に操作訓練を受け、端末を自由に使える夕方の自習時間に、何度も足を運ぶ職員も多くいました。ほかの看護師を指導する立場にいるスタッフも操作訓練を積極的に行いました。看護部の山本深雪病棟主任は、「私自身、パソコンは苦手だったのですが、『また来たの?』と言われるくらい率先して自習に出て練習しました」と述べています。このようにスタッフのモチベーションがきわめて高かったことも、スムーズに操作を習得でき、短期間でトラブルなく導入に至った理由の1 つです。
  その後、外来で3回、病棟で4回のリハーサルを経て、トラブルもなく9月に稼働し始めました。導入した当日から1週間程度はサポートの技術者が常駐しましたが、技術者が引き上げてからも、システムは順調に機能しています。また、医師が行う操作を習得している看護師を配置し、医師への的確なサポートが行える体制をとっていることも、円滑な診療が行われている要因です。

 
外来での運用の様子。パソコンの操作に慣れていない医師もいましたが、操作訓練の体制が充実していたことで、短期間で使い方を習得することができ、稼働後もスムーズな診療が行えています。これにより、患者さんの待ち時間短縮につながっています。   病棟のナースステーション。操作訓練に全員が熱心に参加していた看護部では、外来、 病棟で医師の端末操作をサポートできるスタッフを配置しています。そのため、確実 なシステム運用が行えており、医療安全の面からも効果が出ています。

導入の効果

業務の標準化で安全性も向上

   導入から半年以上が経過しましたが、荒木浩外科部長は、オーダリングシステムのメリットとして、業務の効率化と、指示が明確に残ることで、責任の所在や実施の確認作業がわかりやすくなった点を挙げています。また、システム自体がどれだけ患者さんのためになるかについては慎重に検討するべきだとしながら、サービス向上の指標の1つである患者さんの待ち時間は、大幅に短縮されたと述べています。デメリットとして、出力ラベルの文字が小さいなどの指摘もありましたが、オーダリングシステムの導入はプラスであったと評価しています。また、システムの導入は業務が標準化され、安全性が高まるというメリットにつながっており、「ルールに則った運用は、これからの時代に必ず要求されることだと思います」と、荒木外科部長は述べています。

看護業務が効率化し患者ケアの時間が充実

  看護部の戸口文代病棟師長と永田晴美病棟師長は、食事箋を書いたり、処方箋を運んだりする作業がなくなり、業務が整理されたため省力化が実現できたこと、そしてその分患者さんのケアに時間を使えるようになったことをメリットとして挙げています。戸口病棟師長は、「業務が明確に区分されたことで、医師に依頼しやすくなった面もあります」とも述べており、山本病棟主任は、「転記の必要がなくなったので、誤記入などのミスもなくなりました」と付け加えています。
  四方真紀看護部長は、「コンピュータの苦手なスタッフも多かったのですが、一生懸命努力してくれました。リハーサル時にもさまざまな意見が出されるなど、問題に取り組む姿勢が非常に良かったと思います」と、スタッフのモチベーションの高さが導入成功の要因であると評価しています。

山口 久子
四方 真紀
戸口 文代
医事課長
看護部長
病棟師長

 

前列左から、看護部・山本深雪病棟主任、四方真紀部長、永田晴美病棟師長。
後列左から、医事課・角直子副主任、梅村真路副主任、放射線課・大野雅史技師、医事課・山口久子課長

将来の展望

スタッフの前向きな姿勢と協力がIT 化成功のカギ

  フルオーダリングシステムの導入が、予定を前倒して短期間にスムーズに行われた背景には、オーダリング委員会とワーキンググループの間、あるいは病院側と富士通の間の調整役の存在がありました。オーダリング委員会の副委員長も務める山口課長や、医事課の角直子副主任と梅村真路副主任がその大きな役割を担いましたが、元来、情報処理の専門知識を持っていたわけではありませんでした。「情報システム課のような専任部署のない病院では、医事課が動くしかありません」と、山口課長は説明しています。
 角副主任、梅村副主任ともに、今回の導入成功のカギは、ほとんどのスタッフがIT化に前向きで、協力的だった点を挙げています。また高橋内科部長は、「病院のスタッフ全員が1つの目標に向かい、これを達成しようと一丸となったこと自体が、非常に意義のあることだったと感じています」と当時を振り返ります。
  さらに、山口課長は、「IT化は割り算だと思います。余りを切り捨てて運用でカバーするのか、無理をしてでも切り上げてシステムに乗せるのか、その判断が重要です。当院では、HOPE/EGMAIN-NXがパッケージ製品であることを折りに触れ石山院長が説明してくれましたので、無理な主張もなく、お互いが周りの声をよく聞いたことが、判断を誤らずに導入できた理由ではないでしょうか」と述べています。
  各部門のスタッフが一丸となって取り組み、スムーズなシステム導入を実現した藤本病院。将来的な電子カルテシステム導入も見据えており、IT化を進めることでさらなる患者サービスの向上を実現していくことが期待されます。

(藤本病院のHOPE/EGMAIN-NXの導入については、株式会社医療情報システム様のご協力をいただきました)


藤本病院のHOPE/EGMAIN-NX システム構成図

施設概要

特定医療法人一祐会 藤本病院

  • 所在地: 〒572-0838 大阪府寝屋川市八坂町2-3
  • TEL: 072-824-1212(代)
  • FAX: 072-821-9213
  • URL: http://www.ichiyukai.jp

本事例中に記載の肩書きや数値、固有名詞等は掲載日現在のものであり、このページの閲覧時には変更されている可能性があることをご了承ください。