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導入事例  天童市民病院様

天童市民病院

病院の改革をめざし業務の標準化を
実現するシステム環境を構築


段階的なシステムの稼働により職員に負担がかからない導入を実現
いで湯とフルーツと将棋の駒の生産で知られる山形県天童市は、山形市に隣接する人口6万3000人の地方都市です。自治体病院である天童市民病院は、2008年4月に病院を新築開院するとともに、病院名を天童市立天童病院から現在の名称へと変更。一般病床を70床から54床にし、新たに療養病床30床を加え、より地域に則した病院として新たなスタートを切りました。同時に電子カルテシステムHOPE/EGMAIN-NXを導入して、標準化された医療を提供することで、業務の効率化とともに安全性の向上も実現しています。



 導入の背景  | 導入の経緯 | 導入の効果 | 将来の展望


導入の背景

病院の改革をめざして新築開院と同時にIT化を図る

松本修院長
松本  修
院長

  天童市民病院は、500床を超える急性期病院をはじめ、複数の大・中規模病院に囲まれた、84 床の中規模病院です。天童市の人口増加率は県内第3 位でありながら、旧病院では近年になり外来患者数、入院患者数の減少が見られるなど経営の見直しが求められていました。そこで、2008年4月、同院は病院の存在意義を再確立することや、経営の効率化をめざして新病院を開設しました。新たなスタートを切った同院は、三次医療機関と一次医療機関をつなぐ役割を果たすべく、地域の要望の高かった療養病床を追加。充実した二次医療の提供に努めつつ、1.5TMRIや、16列MDCTなどの高度なモダリティを導入し、検診機能の充実を図り、検診事業などの予防医療の提供にも力を入れています。
  このような設備の充実を図った同院は、開院に当たって院内のIT化にも着手しました。その理由について、松本修院長は次のように述べています。
  「一次医療と三次医療の間をスムーズにつなぐためには、まず院内の診療体制を整えなければいけません。そのためには電子カルテシステムの導入が不可欠だと考えました」
  さらに松本院長は、電子カルテシステム導入により業務の標準化を図ることが最大の目的として、次のように説明しています。
  「当院は診療科の数と常勤の医師数がほぼ等しく、かつベテラン医師が多いことから、運用がバラバラでは、1つの病院の中に複数の診療所があるような状態になりかねません。それぞれのやりやすい診療が、すべて理想的であるとは限らないのです。また、異動のある看護師にとっては、違う診療科に移ったとき、科によって業務の手順などが違えば戸惑いもあり、慣れるまでに時間がかかるため、仕事の効率が下がるおそれがあります。しかし、電子カルテシステムにより、業務の標準化が図れれば、看護師が慣れるための時間も省け、最終的には、医療の安全と質の確保に大きく貢献すると考えました」


導入の経緯

運用をフローチャート化して問題点の詳細な把握に取り組む

  電子カルテシステム導入に向けて、天童市民病院では2005年から活動を始めています。まず、システムの運用方法の統一を図るために、松本院長を委員長とし、各部門の代表者が参加する電子カルテワーキンググループを立ち上げ、現状の業務内容を把握するところから始めました。協議会では、メンバーが各部門の意見を吸い上げ、50種類ほどに上った業務手順をすべてフローチャート化しました。その中で、各科で統一できるものとできないものを選別していきました。同院では、電子カルテシステムの使用経験のあるスタッフがいなかったため、唯一オーダリングシステムを使用したことのある松本院長が中心となって作業が進められましたが、このとき、外部のコンサルタント会社のアドバイスを受けながら入念に見直しを行いました。
  「まず現在の病院の業務を確認し、それにより問題点を把握することが必要です」と松本院長は、準備段階の重要性について話しています。
  こうして、電子カルテワーキンググループで意見を取りまとめて電子カルテシステムの運用方法を詰めていき、1年半をかけて仕様書を作成しました。システムの選定に当たっては、メインユーザーとなる医局(医師)を主な対象にして10社が院内でデモンストレーションを行いましたが、その中で、カスタマイズを行わないことを前提とした同院の仕様書に対応できる6社が残りました。さらにそこから、プロポーザル方式によりデモンストレーションの内容など、20以上ある項目を評価し、それを点数化して、合計得点の最も高かった富士通のHOPE/EGMAIN-NXを導入することが決まりました。

2段階に分けたシステム導入が混乱のない稼働を実現

  導入システムが決まり、稼働に向けての操作訓練をスタートした天童市民病院ですが、医師については富士通の担当者によるマンツーマンでの指導が行われました。この操作訓練は、看護部門と事務部門のものとは異なるものでした。長瀬一男事務局長は、これについて、「電子カルテ運用のキーパーソンである医師に対して個別に対応してもらえたことが、電子カルテシステムの導入に対する不安を払拭するための大きなポイントとなりました」と富士通側の対応を評価しています。一方、看護部門と事務部門では、それぞれ中心となるリーダーをまず養成し、部門ごとで操作の習熟度を深めていきました。「短時間でしたが、リーダーを中心に操作訓練に取り組む中で、チームワークが高まるという二次的な成果も得られました」と両部門の操作訓練を統括した澤和彦事務局総務係主査は振り返ります。最終的に部門別と全体でのリハーサルを合わせて5回行い、その都度運用を改善することで、回を重ねるごとに、よりスムーズに運用できるようになりました。
  また、導入の当初のスケジュールでは、開院と同時に電子カルテシステムを稼働させる予定でした。これは、オーダリングシステムと電子カルテシステムを一度に稼働させる方が、負担は大きいものの経費の面や標準化の推進に有利と考えたことによるものです。しかし、新病院への移転作業なども重なり、結果的には、4月の開院と同時にオーダリングシステムを、電子カルテシステムを7月から稼働させるという2段階の導入へと変更になりました。この間、医局に電子カルテシステムの端末を設置していたため、医師はさらに約3か月操作訓練を行うことができました。この2段階でのスタートが、結果として混乱のない、よりスムーズな運用につながりました。

長瀬一男事務局長 山口桂子総看護師長 澤和彦事務局総務係主査
長瀬  一男
山口  桂子
澤  和彦
事務局長
総看護師長
事務局 総務係主査

導入の効果

業務の標準化により効率と安全性が向上

  電子カルテシステム導入によるメリットについて、松本院長は、「オーダーの流れが一本化された意義は大きいと思います。また、点滴の処方など、空いた時間にあらかじめオーダーを出しておくことができるため、オーダー漏れも減らすことができました」と話しています。また、HOPE/EGMAIN-NXの機能では、オーダー内容の変更、中止など、医師や看護師に通知するべき内容がある場合に、病棟マップ上で通知の有無を表示する指示棒機能が便利だと評価しています。同院では、緊急性の高い要件はPHSでの連絡、それに次ぐものを電子カルテシステムの指示棒機能で行っています。「要件に優先順位をつけて連絡方法を選択できるため、非常に重宝しています」と松本院長は述べています。
  さらに、松本院長は、「患者さんに検査結果や画像をすぐに提示できることで、インフォームド・コンセントの充実が図れています。また、セカンドオピニオンを得るために必要な情報をすぐにCDなどで提供できるので患者さんやほかの施設との情報共有の面にも大きなメリットをもたらしています」と話しています。
  一方、看護部門におけるメリットとしては、カルテが手書きではなく電子化され、文字が読みにくいということがなくなり、内容を医師に確認し直す手間も省け、医師の指示が正確に伝わることで、安全性の向上につながったことがあります。また、注射箋や処方箋などを持って移動する必要もなくなるなど、業務の効率化が図られています。山口桂子総看護師長は、「紙カルテでは、ほかの誰かが使っていたら内容を見られませんでしたが、電子カルテシステムではいつでも参照することができます。検査のデータも、最新の情報を探す手間なく出すことができるため、患者さんからの問い合わせにもすぐに対応できるようになりました」と述べています。
  HOPE/EGMAIN-NX に対する改善要望としては、目当ての情報を見つけやすくするため、表示の文字サイズや色のバリエーションを増やすことや、診察中に別の患者さんのオーダー発行ができる機能などがあればと、松本院長は指摘しています。

産婦人科の高橋秀幸医師による診察の様子。産婦人科では当初設置する予定であったシャウカステンを取りつけていません。高橋医師は、「電子カルテシステム端末での医用画像情報システム(PACS)の画像参照で十分です」と述べています。
病棟のナースステーションでの運用の様子。カートに乗せたノート型端末が用意されています。病室に端末を運んで実施入力に使用しており、発生源入力による安全性を確保しています。
受付のHOPE/SX-Jの運用の様子。電子カルテシステムの導入により、以前は15~30分かかっていた会計待ち時間が、5分程度へと劇的に短縮し、患者サービスの向上が図られています。

将来の展望

電子カルテシステムを活用し地域へのさらなる貢献をめざす

  スタッフに行ったアンケートの回答で上位3つを占めた“優しさ”、“笑顔”、“地域医療”に加え、慰めといういたわりの思いを込めて、「優しさと笑顔の地域慰療」をキーワードにして動き出した天童市民病院。電子カルテシステム導入の目的であった業務の標準化と、それに伴う安全性の向上について満足できる効果が得られています。
  今後の活用方法について、長瀬事務局長は、経営面へのメリットについて大きな可能性を感じており、「部門ごとの収益や、人事考課などの経営指標が簡単に引き出せるようになったことで、収益の高い部門を容易に知ることができ、経営の判断情報に活用できるだろうと期待しています」と話しています。
  松本院長は、これまでの経緯を振り返り、「電子カルテシステムは、業務を標準化し、スムーズに行うためのツールです。電子カルテシステムを導入する上で一番大切なのは、病院の業務を熟知し、それをどう改善するか最初に検討することです。それが電子カルテシステムのスムーズな稼働につながると思います。また、電子カルテシステムの運用方法についてはいくらでも工夫できます」と、これから導入する施設に向けてアドバイスしています。現在、同院では、クリティカルパス作成にも取り組んでおり、HOPE/EGMAIN-NXをさらに便利なツールとして十分活用し、地域の二次医療を支える役割を果たしていくことが期待されます。


天童市民病院のHOPE/EGMAIN-NX システム構成図
HOPE/EGMAIN-NX システム構成図
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施設概要

天童市民病院

本事例中に記載の肩書きや数値、固有名詞等は掲載日現在のものであり、このページの閲覧時には変更されている可能性があることをご了承ください。