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導入事例  医療法人社団 青池メディカルオフィス  向陽メディカルクリニック様

向陽メディカルクリニック

透析治療の質の向上に
電子カルテシステムを中心としたITを活用


システム間の連携や検査センターとのオンライン接続により業務の効率化に成功
新潟県新潟市のほぼ中央に位置する江南区は、2007年4月に新潟市が政令指定都市へと移行すると同時に誕生しました。約7万人が生活する江南区のJR亀田駅の近くに、人工透析を中心に、内科、循環器科の診療も行う向陽メディカルクリニックがあります。開院と同時に富士通の電子カルテシステHOPE/EGMAIN-CX〔m-KARTE(注1):三菱化学メディエンス株式会社〕をはじめとして、透析部門システムやPACSを導入。システム間の連携を重視した環境を構築したことで、IT化のメリットを最大限に引き出し、業務の効率化を実現しています。



 導入の背景  | 導入の経緯 | 導入の効果 | 将来の展望


導入の背景

個人用透析装置により各自に合った透析液を提供

青池郁夫院長
青池  郁夫
院長

  向陽メディカルクリニックは、複数の病院で内科、腎臓内科、循環器科の臨床経験を積んできた青池郁夫院長が、質の高い透析治療の提供をめざして2007 年3月に開院しました。同クリニックは、1階に透析室、2階に受付や診察室、処置室などを配置。透析室は、待合室および透析エリアが男女別となっているほか、女性更衣室にはパウダールームが完備されるなど、患者さんにとって快適な環境への配慮が随所に見られます。
  さらに、青池院長は、同じ種類の透析液を複数の患者さんに供給する、多人数用供給装置を用いた人工透析治療が主流の中、患者さんの病態に合わせた組成の透析液による治療を行えるように、全台個人用透析装置を導入しています。


導入の経緯

透析部門システムと連携するHOPE/EGMAIN-CXを導入

  開院に当たりクリニックのIT化を必須と考えていた青池院長は、2004年ごろから、導入システムや機器の選定を開始しました。始めに、クリニックの業務の中心を担う透析装置と透析部門システムを選定。電子カルテシステムについては、透析部門システムとの連携を重視した選定を行いました。その理由を青池院長は、「過去に勤務していた病院のシステム選定時に複数の病院に見学に行きましたが、部門システムと電子カルテシステムの連携がうまくできておらず、かえって仕事が増えたという話をよく聞いていました。そのため、システム間のスムーズな連携を実現することを採用する上での大前提としました。システムへの投資は決して安いものではないので、費用対効果を十分に考えて、導入によるメリットを明確にしておくことが重要だと考えました」と説明しています。
  選定では、富士通の電子カルテシステムHOPE/EGMAIN-CXほか、数社のシステムが候補に挙がりましたが、比較するまでに至らなかったと青池院長は次のように述べています。
  「透析部門システムとの連携と運用の実績で群を抜いていたのがHOPE/EGMAIN-CXでした。他システムとカスタマイズをしなくても連携が確実にできるということは、将来バージョンアップが図られたときにも、新たに連携費用などが発生する心配もなく、安心して使い続けていけます」   業務の効率化を実現できるシステムだという印象を持った青池院長は、デモンストレーションで操作性も確認し、HOPE/EGMAIN-CXの導入を決定。操作指導に関しては、開院準備期間中に数日にわたり、青池院長と事務スタッフを対象に行われましたが、スタッフがパソコンの操作に慣れていたこともあり、問題なく操作を習得できました。
  このほか、画像を管理、配信するためのPACSについても、電子カルテシステムとの連携を重視して決定。特別な導入作業を必要とせず、開院時からシステム間のスムーズな連携を実現しました。

導入の効果

受付から会計まで患者データをスムーズに運用

青池院長の診察の様子
青池院長の診察の様子。診察室にスキャナを設置して、紹介状や心電図の波形データなどをPACSに取り込んでいます。電子カルテシステムとの連携により必要なデータをすぐにPACSビューアに表示できます。

  向陽メディカルクリニックでは、HOPE/EGMAIN-CXの端末を診察室と透析室に1台ずつ設置。診察室には電子カルテシステムの端末の隣に、PACSのビューアを設置しました。HOPE/EGMAIN-CXの画面から患者さんを呼び出して、X線装置や超音波装置の画像を参照します。
  外来には、1日に平均約20名の患者さんが訪れます。初診の患者さんが来院すると、受付で問診票を記入してもらい、事務スタッフが医療事務システムHOPE/SX-Jに属性を入力します。透析患者さんの場合、受付で入力された属性データは、透析部門システムから取り込むことができます。また、診察後、HOPE/EGMAIN-CX に入力した検査や処方のオーダー内容は、実施後にHOPE/SX-Jに送信され、会計が自動で行われます。
  透析治療には現在55名程度の患者さんが、週3回通院しています。患者さんは透析室に入ると、体重計の脇にあるカードリーダーで認証を行い、その日の除水量を決めるために体重を測定します。体重のデータは予定されている透析装置に送信されます。スタッフにより血圧や脈拍の測定などが行われた後、透析治療が開始されます。
  透析終了後に、血圧、脈拍、透析条件、使用薬剤、連絡事項などの透析治療に関する情報はWebサーバに送信され、電子カルテシステムの端末で閲覧できます。また、透析部門システムに入力された透析の記録、実施情報、会計情報などはHOPE/EGMAIN-CXに送信することにより透析室での治療にかかわらず、患者さんの情報を電子カルテシステムで閲覧することが可能です。
  透析治療の会計の情報は電子カルテシステムから一般の診療データと合わせてHOPE/SX-Jに送信すると、透析治療で包括支払いの対象となるものでも、個別に算定してしまうことがあり、会計の業務が複雑になります。そのため、透析治療だけの会計については、透析部門システムからHOPE/SX-Jにも直接データを送信する仕様にして、一般の会計と区別できるようになっています。

透析室でのシステム運用の様子   透析室 透析室
透析室でのシステム運用の様子。右がHOPE/EGMAIN-CX、左が透析部門システムの端末です。患者さんの診療情報全体を把握するために、透析室にも電子カルテシステムが必要だと青池院長は話しています。
 
透析室。個人用透析装置(右)を現在は26台設置しています。透析液を調整する希釈液には、RO装置により精製した純度と清浄度の高い水を使用。患者さんごとに透析液を調整して人工透析を行います。

オンラインの外注検査オーダーで伝票書きが不要に

  m-KARTEでは、HOPE/EGMAIN-CXとm-TEST(注1)の連携により、オンラインで三菱化学メディエンス株式会社の外注検査センターへ検査のオーダー送信をしたり、結果の受信をすることができます。データ授受端末から、m-TESTの「検査依頼情報出力」画面で送信ボタンをクリックするだけで、外注検査を依頼でき、結果は「検査一覧」画面で受信ボタンをクリックすると、HOPE/EGMAIN-CXに取り込まれます。また、透析の患者さんは、血液検査などの定期検査が必要なため、同クリニックでは数十人分の検査オーダーの発注をその都度HOPE/EGMAIN-CXで入力しなくて済むように、透析部門システムから検査のオーダーと結果の送受信をオンラインで行えるようにしました。患者さんの年間の透析検査スケジュールを透析部門システムに入力すると、検査オーダーが自動で出力されるようになっています。
  青池院長はこうした外注検査センターとの連携により、「検査の伝票書きの作業が必要なく、業務の省力化が図られています」と話しています。さらに青池院長は、検査結果がHOPE/EGMAIN-CXからのオーダーはもちろん、透析部門システムからのオーダーに関してもHOPE/EGMAIN-CXに取り込まれるため、検査結果の管理も容易に行えると評価しています。

システム間の連携により入力作業の省力化を実現


受付でのHOPE/SX-Jの運用の様子
受付でのHOPE/SX-Jの運用の様子。端末は2台設置されています。オーダーの入力漏れを会計時に見つけられるように、オーダー内容をチェックする欄を問診票に設けています。

  また青池院長は、電子カルテシステムの大きなメリットとして、情報の把握や検索のしやすさを挙げ、次のように説明しています。
  「検査の結果を時系列で確認できるため,患者さんの経過がとても把握しやすいです。処方の履歴も簡単に見られるので過去に処方した薬を探したいときなどにも便利です。一定の情報が蓄積されてきたことで、データの管理と活用が容易にできるメリットを強く実感しています」
  このほか、診療全体で入力作業の省力化も実現できています。青池院長は、「各システムの連携が十分に図られたことで、同じ情報をほかのシステムで入力し直す必要がありません。受付スタッフが会計時に処方やオーダー内容を確認しながら入力する作業が軽減され、スタッフの負担やミスの削減につながっています」と述べています。PACSについては、ビューアで画像を見せながら説明できるので、患者さんが疾患の状態を把握しやすいとのメリットを挙げています。

将来の展望

システムを活用して質の高い透析治療の提供を続ける


集合写真
前列左から、中村美栄子看護師長、青池郁夫院長。中列左から、村山美幸看護リーダー、阿部恵理子臨床工学技士、渡辺真梨子助手、佐藤裕子看護師。後列左から、工藤由美子助手、五十嵐真理子看護師、大矢宝恵看護師。

  HOPE/EGMAIN-CXを中心に、各システムの連携が十分に図られた向陽メディカルクリニックでは、業務の効率化を実現しました。ITを活用して質の高い診療の提供を行う青池院長は、今後の課題として、地域医療連携を挙げ、次のように述べています。
  「透析治療を長く行っていくと、どうしてもさまざまな合併症を併発することがあります。そのような場合、患者さんが病院に入院することも考えられるため、大量かつ詳細な透析の条件や処方の情報、画像データを容易にやり取りできるような連携を図っていくことが理想です」
  青池院長は最後に、「透析治療の質にこだわってきました。これからも高い質を維持し続けて診療を行っていきます」と決意を語りました。透析治療は患者さんが一生続けていくものです。IT導入によって、安全かつ質の高い透析治療を提供する同クリニックは、地域にとって欠かせない存在となっています。


向陽メディカルクリニックのHOPE/EGMAIN-CX システム構成図
HOPE/EGMAIN-CX システム構成図

[図を拡大する]
(注1) m-KARTEは、富士通の電子カルテシステムHOPE/EGMAIN-CXと医療事務システムHOPE/SX-J、三菱化学メディエンスの検査支援システムm-TESTをセットにして、三菱化学メディエンス株式会社から提供されている製品の総称。

〔向陽メディカルクリニックでのHOPE/EGMAIN-CX(m-KARTE)の導入については、三菱化学メディエンス株式会社様 〈http://www.medience.co.jp/index.html〉のご協力をいただきました。
また、透析部門システムとの連携については東レ・メディカル株式会社様〈http://www.toray-medical.com/〉(MiracleDIMCS21)のご協力をいただきました〕

施設概要

医療法人社団 青池メディカルオフィス
向陽メディカルクリニック

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